メーカー モリタエコノス
車種 日野 デュトロ
年式 2006年式
施工個所 モリタエコノス製 バキュームタンク上部錆により腐食穴あき修理
作業日数 約4日
価格 約270,000円
日野 モリタエコノス製のタンクの上部が腐食してしまった車両の入庫でした。
入庫したいただいた当日はタンク内洗浄を行いました。
マンホールの上部2か所を開放、後部1か所をあけて洗浄しました。
その後、排水処理を行い、腐食片の除去を行った後に乾燥させました。
入庫時の状況で、右上部が腐食により錆びのシミも出来ていました。
錆びているところをシーラーにてふさいであり、シーラーを除去しました。
腐食の範囲を確認して、腐食しているところを撤去していきました。
上から見ると、溶接面に沿って腐食しているのが確認できました。錆びを撤去していきました。
タンクの内部からの写真です。内側から後方上部を撮影したものです。
タンク背面より上面のアールの部分にかけて割れがあり、上空が見えるような損傷でした、
更に上方より後方に向かって撮影したものです。
上面に隙間があることと、タンク内側がさびていました。
タンク内側を溶接するにあたり、錆をすべて除去していきます。
この作業を行うのに、タンク内ということもあり、防毒マスク、全身防護服を着た状態での作業になります。
錆びはエアーサンダーにて亀裂か所の周辺で、溶接予定の場所についてすべて除去していきました。
写真のように鉄の色が出るところまで、錆の赤色がなくなるところまで除去していきました。
内側から鉄板を溶接していきました。鉄板はタンクの内側がアールになっているので同じようにアールに曲げ加工したものを溶接していきます。
半自動溶接を使用して作業していきました。TIG溶接などよりも労力をかけずに溶接をする事が可能です。
半自動溶接で上向きの溶接をするためには、熱でビードが溶け落ちないようにすることが大切です。ビートとは溶接する際にワイヤーが出てきて、溶接個所が盛り上がっていきます。これをビードといいます。
ビードは溶接時には高温の為液体状態です。だから、上向きでの溶接では下に溶け落ちることがあります。落ちるのを防ぐためには、ビードが落ちそう溶けそうなときに止めることです。
ビードが垂れて落ちないように気をつけながら作業していきました。液体を上面につける感覚なので、技術が必要といわれています。
内側の溶接が完了しました。溶接が垂れてしまったところは、一度サンダーにて表面を削り、もう一度溶接を行いました。
事前に割れているところの端部分にドリルをあけておきました。こうすることで亀裂が広がらないようにしています。亀裂部分を溶接しました。
欠損部分は欠損部分と同じサイズの鉄板を切断加工して溶接した所の写真です。
サンダーで表面を平らにしました。
タンクの後端部分できれいに仕上げてほしいという要望もあり、修理したところの表面を平らに仕上げていきました。パテを入れて、タンクと同じアールに仕上げていきます。
後方より撮影したものです。
タンクと同じアールにパテを研ぎ、プラサフ塗装をしたところです。
プラサフとはプライマーとサフェーサを合わせたものです。
プライマーサフェーサという下地塗料の略称を商品名にしたものです。
プライマーは塗装の前に塗る塗料です。プライマーに錆止め剤を合わせたものを吹き付けて錆止め効果を高めたり、プライマーを塗ることで上面をきれいに仕上げる効果があります。
サフェーサには傷などの凹みの補修効果があります。
物量計透明板とはタンクの中にどれくらい入っているかを目視で確認できるための透明なゲージです。
タンク後部の真ん中についている物量計透明板の下側からすこし漏れていたのでパッキンを交換しているところです。
交換後、塗装して外した上部のふたと後部のふたを取り付けて納車になりました。
タンクはメンテナンスを行えば、10年以上長いものですと20年以上使用できるので丁寧に仕上げていきました。
全体の写真はユーザーが特定されてしまうためごく一部の写真のみ掲載させていただいております。