メーカー モリタエコノス
車種   いすゞ エルフ バキュームカー
年式   2010年式
施工個所 モリタエコノス製のバキュームカーの腐食亀裂修理
作業日数 約2日
価格   約175,000円

いすゞのエルフでモリタエコノス製のバキュームカーの入庫でした。
タンクの前方の下のほうから汚水が漏れてしまうとの連絡でした。
数十年前のバキュームカーは吸引機によってタンク内の空気を強制的に排出しているため、吸引した臭いが周辺に拡散していました。
現在のバキュームカーは、空気を排出する前に専用の燃焼装置を通しているため、走行中や吸引中に悪臭が漂うことはありません。
しかし、燃焼装置を通さない場合は臭気があります。そのために、事前にタンク内の清掃を行い臭気を除去した状態で作業を行いました。

バキュームカー

洗浄時は上部をこのように開けて隅々まで洗浄を行います。洗浄を行っても完全ににおいが消えることは少ないので、防毒マスクを装着して作業を行っています。
バキュームカー

取り外すのに、重いものなので天井クレーンを使い取り外しました。
傷がつかないように、ベルトを使い取り外しました。その後、ロープを使い移動しました。

バキュームカー

洗浄後の様子です。内部に入って確認するとタンクの中心部分で、補強の入っている部分の間から錆が浮いてきて、割れを確認する事が出来ました。

バキュームカー

作業する道具を用意して、タンクの中に入れていきます。
錆が出ている部分を丁寧に取り除き、その後エアーサンダーにて表面をきれいにしました。
これは錆があるときちんと溶接する事が出来ず、同じ部分から割れる恐れを防ぐための作業です。
この作業も、防毒マスクをつけ、防護服を着ての作業になります。
タンク内に外部から空気を送り、酸欠にならないようにしていますが、マスクをつけないと臭気がしました。

バキュームカー

割れのある部分の先端にこれ以上ひびが伸びていかないように先端に穴をあけてから溶接を行いました。
外板の鉄板は錆があるため、通常の溶接より難しいことと、防護服を着た状態、マスクをつけた状態での作業で、真夏などは過酷な環境です。冬も鉄に囲まれた中で、極寒です。
このような状況でも、修理箇所から割れないようにするために丁寧に溶接をしていきます。

バキュームカー

割れている個所を溶接した後、上部に補強の板を溶接していきます。
通常の場所での作業であれば、すぐに終わる作業も、タンクの中という環境と、防護服を着た状態で、防毒マスク、時間を決めての換気を行いながらの作業になりました。
補強版の外周を丁寧に溶接していきました。

バキュームカー

タンク内部ですが、錆を防ぐために防錆処理を溶接部分に行いました。

バキュームカー

塗装を行うと、タンク内は写真のように塗装ミストで充満してしまいます。
こちらも、誤爆などを防ぐために換気を行ってから上部のふたを取り付けて納車になりました。
過酷な環境と、特殊車両で時間が限られている中の作業ですが、次に故障がないようにするために作業を行いました。