DAIRYMAN デイリーマンに広告を掲載させていただきました。

昭和26年4月4日第3種郵便物認可
令和5年12月1日発行 (月1回1日) 第73巻第12号

2023
DAIRYMAN
世界のを知り、 世界の酪農とともに前進しよう!

デーリィマン
VOL.73 No.12
ISSN0416-6272

デイリーマン 家畜運搬車 家畜 畜産 牛 豚

視点 2023
“適正な価格形成”への論点

技術ワイド 周産期疾病の予防と早期発見へ
①粗飼料調製・ 給餌のポイントと添加剤の有効活用
②イネWCS 給与による酸化ストレス軽減効果
③グローバルに利用されている牛群モニタリングシステム

各地のホルスタインショー入賞牛紹介

家畜運搬車製造にかかわる弊社として
広告を掲載させていただきました。

デイリーマン 家畜運搬車 家畜 畜産 牛 豚

10円/kg=総額750億円補填し
赤字解消するような制度創設を
欧米型直接支払い制度導入の必要性と意義
東京大学大学院農学生命科学研究科教授 鈴木 宣弘

農水省の政策の「目玉」のように打ち出された 「強制的」
な価格転嫁対策の検討だが、 生産現場ではどう捉えられ
ているだろうか。 私は、 簡単にできるわけがないし現場
の疲弊を救うには間に合わない、と指摘してきたが、残
念ながら、 その懸念の通り、 困難なことが明らかになり
つつある。 掲げた旗をどう降ろして議論を収束させるか、
という段階に来ているのではないか。
本稿では欧米の乳価形成システムおよび所得補償の手
法を示した上で、日本における直接支払いの必要性と意
義を提起する。(筆者)

政府支持価格の変動分だけ乳価を自動改訂、
価格交渉が実質不要なカナダ
飼料、肥料、燃料などの高騰にもかかわらず農畜産
物の販売価格には十分価格転嫁されず、 農家の赤字が
膨らんでいる。 そんな中、 日本においてもフランスの
制度を参考に、政府がある程度の強制力を持って、農
家のコスト高を流通段階別の価格に反映していく仕組
みを創出することが、 新たな政策の目玉として提示さ
れた。
フランスでは労働者の賃金も、 労働法に基づき2%
以上の物価上昇が生じたら自動的に引き上げられるこ
とになっている。 農産物の取引価格についても、
Egalim(エガリム) II法により、農家のコスト上昇分
を販売価格に反映する「自動改訂」を 政策
的に誘導する仕組みが一応はできている。
カナダでは州別のMMB (ミルク・マーケ
ティングボード、 独占禁止法の適用除外
法に基づいた州の全生乳の独占的集乳・販
売機関)に酪農家が結集しているため、寡
占的なメーカー小売りに対する拮抗力が
生まれ、 適正な価格形成ができる。 カナダ
ではMMBを経由しない生乳は流通できず、
流通させると法律違反で起訴される。それ
を背景にして、 MMBとメーカーはバター・
脱脂粉乳向けの政府支持乳価の変化分だけ
各用途の取引乳価を自動的に引き上げてい
く慣行になっており、実質的に乳価交渉はない。
具体的には、カナダでは酪農家の生産費をカバーす
る水準として政府機関のCDC (カナダ酪農委員会)の
乳製品(バター・脱粉) 支持価格買上価格)とそれに見
合うメーカー支払い可能乳代(バター・脱粉向け)がセ
ットで設定されている。 それが各州のMMBとメーカ
一間の取引乳価(バター・脱粉向け) として適用され(デ
ータはやや古いが、表1下段の 「77.59 ドル/100L」 と
表2の中段左端の「77.51ドル/100L」 〈政府支持価格〉
がほぼ一致している)、 それ以外の用途の取引乳価も
価格算定公式に基づき連動して決定される。
つまり、支持価格の変動分だけ全ての用途 (輸入代
替および輸出向けのスペシャル・クラスを除く)の取
引乳価と連動させて自動的に改訂することで生産者と
メーカーが合意しているのである。

家畜運搬車製造にかかわる弊社として
掲載させていただきました。

DAIRYMAN 第73巻 12月号
昭和26年4月4日第3種郵便物認可
令和5年12月1日発行(月1回1日)

発売所
デーリィマン社
発行所 札幌本社 札幌市中央区北5条西14丁目
    東京本社 東京都豐島区北大塚2丁目B69 ITY大塚ビル3階