DAIRYMAN デイリーマンに広告を掲載させていただきました。

昭和26年4月4日第3種郵便物認可
令和5年9月1日発行 (月1回1日) 第73巻第9号

2023
DAIRYMAN
「世界のを知り、 世界の酪農とともに前進しよう!

デーリィマン
VOL.73 No.9
ISSN0416-6272

デイリーマン 家畜運搬車 家畜 畜産 牛 豚

視点 2023
鳥獣害の実態と効率的対策とは

技術ワイド
消毒を見直し防疫体制強化
➀「待ち受け消毒」での消石灰の効果的利用法
➁過酢酸製品を使ったヨーネ病対策
➂サルモネラ症清浄化までの4農場の取り組み

新企画 連載 節約のための税と会計の知識

第49回カナダ ホルスタイン酪農視察旅行参加者募集
乳用種雄牛評価成績2023-8月/ヤングサイア評価値

家畜運搬車製造にかかわる弊社として
広告を掲載させていただきました。

デイリーマン 家畜運搬車 家畜 畜産 牛 豚

図2 草地適用型囲いわなの概要

う餌が豊富に存在するため、囲いわなへ誘引しにくく、見慣れない構造物 (囲いわな) が警戒されることが予想される。そこで、草地適用型囲いわなは、従来なかった四つの特徴を持たせた(図2)。
 一つ目は、ゲートまでの誘導柵を設置することである。森林から草地への侵入ルートを柵によって制限し、ゲート前まで物理的に誘導できれば、シカが囲いわなに侵入する可能性が高まる。二つ目は通路型の構造、すなわちゲートが対面で設置された構造にすることである。従来は1カ所しかないゲート数を増やし、シカが侵入する機会を多くするだけでなく、開放的な構造になるため、シカの警戒心を抑える効果も期待できる。
 三つ目は、幅の広いゲートを利用することだ。幅広いゲートを連結させ開放的な構造とすれば、 警戒心の抑制が期待できる。四つ目は、囲い部への牧草ロールの使用である。 牧草ロールは、草地を利用するシカが見慣れている存在なので警戒心を弱められるだけでなく、囲いわなに利用した後、飼料として再利用することも期待できる。
 これらの特徴を有する草地適用型囲いわなの試作機を製作し、試験を実施した結果、これまで非積雪期を中心に農地で運用された囲いわなの実績 (平均3.1頭/基)の3倍以上となる平均9.9頭/基のシカを捕獲できた。また、試験を実施した草地では、捕獲前に比べ牧草被害を約15%低減できた。これは捕獲により
適用型も含めた囲いわな全体の課題として、捕獲後にシカを追い込み、回収する作業に労力時間を要する点が残されており、 省力的に囲いわなを設置・運用できる技術を開発していく必要がある。
 侵入防止柵と同様、 捕獲により個体数を減らす場合もそれぞれの手法にメリット・デメリットがあることを認識し、状況に応じて適した手法を選定することが重要である。当研究所では、「囲いわなによるエゾシカ捕獲の手引き草地適用型囲いわなの紹介」をホームページで公開し、捕獲手法の選定に関する考え方も含め、囲いわなの運用法を紹介しているので参考にしてほしい。また草地適用型囲いわなの導入に興味を持った場合は、未来のアグリ(株)のホームページを参照していただければ幸いである。

プロフィル
いなとみ よしひろ
1979年生まれ、千葉県出身。
2004年北海道大学大学院農学研究科修了(修士課程)。
同年北海道庁 (十勝支庁)に入る。
07年北海道環境科学研究センター、10年道総研環境科学研究センター、20年道総研エネルギー・環境・地質研究所。23年博士(農学) 取得 (東京農工大学)。専門分野は野生動物管理学

家畜運搬車製造にかかわる弊社として
掲載させていただきました。

DAIRYMAN 第73巻 9月号
昭和26年4月4日第3種郵便物認可
令和5年9月1日発行(月1回1日)

発売所
デーリィマン社
発行所 札幌本社 札幌市中央区北5条西14丁目
    東京本社 東京都豐島区北大塚2丁目B69 ITY大塚ビル3階