DAIRYMAN デイリーマンに広告を掲載させていただきました。

令和5年6月1日発行 (月1回1日) 第73巻第6号
2023
DAIRYMAN
「世界のを知り、 世界の酪農とともに前進しよう!

デーリィマン
VOL.73 No.6
ISSN0416-6272

デイリーマン 家畜運搬車 家畜 畜産 牛 豚

視点 2023
需給調整の在り方を問う
技術ワイド
餌を見直し疾病予防
➀乳中脂肪酸データから給餌の課題を把握
➁サイレージ2次発酵とカビ毒汚染への対策
➂乾乳期のグリセリン給与による健康改善

各地のホルスタインショー入賞牛紹介
乳用種雄牛評価成績(参考情報) 2023-4月

家畜運搬車製造にかかわる弊社として
広告を掲載させていただきました。

デイリーマン 家畜運搬車 家畜 畜産 牛 豚

乳製品長期保管特别对策事業

 この事業は、過剰乳製品在庫の長期保管に際し金利・倉敷料などを国が補助する乳製品の調整保管事業である。 乳製品の買い入れ・保管料補助、市場隔離措置はEUでは乳製品の価格下落時にしばしば発動されており、乳製品や生乳の価格を迅速に底支えする政策として位置付けられている。
 日本では1970年代末に、当時の畜産振興事業団が乳製品の買い入れ・市場隔離を実施したのが最後で、畜安法改正を経て実施しないことが明確になった。それでも乳業メーカーの乳製品在庫の保管経費を補助して市場出回り量を抑制する調整保管事業が発動される余地はあるとされてきたが、長期にわたって実施されてこなかった。その調整保管事業が2022年の第二次補正予算で措置されたのである。
 しかし、事業の内容はかつての調整保管事業とはかなり異なっている。適正水準を大きく上回る乳業の乳製品在庫の保管経費を軽減するのではなく、乳価引き上げによる牛乳需要減少に伴い増加する乳製品を生産者が保有し、その保管経費を政府が一部助成するというスキームになっている。
 22年8月に飲用向け乳価が10円引き上げられることが決まった際に、牛乳の値上げによって需要が減少し、脱脂粉乳の生産量が増えることが懸念されたが、乳業はそうした生乳は購入しないとした。具体的には、乳価引き上げを想定しない場合の飲用向け生乳需要量と、乳価引き上げ後の実際の飲用向け生乳需要量の差が対象となる。対象となる生乳は、指定団体が乳業メーカーに乳製品への委託加工を行い、その乳製品を生産者(全国連) が購入することとした。長期保管される乳製品の販売差損は生産者負担だが、保管経費の1/2は政府が助成することにしたのである。
 実際には、乳価引き上げ後、牛乳消費は低迷しているものの、指定団体の自主的な生産抑制によって生乳の加工向け処理比率は低下し、22年度内はこの事業の対象となる生乳はなく、事業は発動されなかった。
 ただし、今後も飲用向け乳価引き上げと生産者による乳製品在庫保有をセットにすることが一般的な政策スキームとなる可能性があるといわれている。
 このように、二つの事業はいずれも乳価引き上げを契機に導入されており、酪農乳業の生乳需給調整機能が低下していることを反映している。政府は資金助成で需給調整システムが機能することもくろんでいるが、果たしてそれは可能だろうか。 中長期的な生乳需給調整の在り方を模索する動きが見られないところに酪農危機の根幹がある。

プロフィル
やさかまさみつ
1956年生まれ、東京都出身。79年東京大学経済学部
経済学科卒業、80年同経営学科卒業、86年同大学院
経済学研究科博士課程退学 (85年単位取得)、88年同経
済学部助教授、90年同大学院経済学研究科博士課程終
了(経済学博士)、96年同大学院経済学研究科助教授、
2007年同研究科准教授。22年4月から現職

家畜運搬車製造にかかわる弊社として
掲載させていただきました。

DAIRYMAN 第73巻 6月号
昭和26年4月4日第3種郵便物認可
令和5年6月1日発行(月1回1日)

発売所
デーリィマン社
発行所 札幌本社 札幌市中央区北5条西14丁目
    東京本社 東京都豐島区北大塚2丁目B69 ITY大塚ビル3階