メーカー 東急車両 東邦車輛
車種   トレーラ まな板
年式   1992年式
施工個所 東急車両TF363 トレーラーの右後部分のスプリングハンガーが破損したため交換しました。
作業日数 約2日

東急車両(現在 東邦車輛 株式会社東邦車輛 株式会社東邦車輛 株式会社)のトレーラーの入庫です。
トレーラには種類があり、入庫車両は平床セミトレーラです。
平床セミトレーラは、まな板と言われたりします。鋼材や建築などの重量物を運ぶのに適しています。
今回は右後側のスプリングを支えるスプリングハンガー(ブラケット)は長年の重量物運搬により変形してしまい、交換の依頼でした。

スプリングハンガー修理

東急車両(東邦車輛)のトレーラーをジャッキで車両を上げて作業をします。
破損部分の右後側のタイヤを内側外側と外します。その後、ハンガーを手動式ガス切断機にて切断しました。
手動式ガス切断機とは、金属を高温ガスにて切断する装置です。酸素とアセチレンを燃料バルブにて調節させ混合燃焼させて切断する機械の事です。

スプリングハンガー

切断機を使用して、スプリングハンガーを切断撤去したところです。紫色のシートを使用して、切断時の火花が飛び散って何かに飛散した場合でも、防炎をしました。
紫色のシートは、吉野株式会社製のプレミアムプレミアという製品です。日本工業規格 JISA1323でスパッタシートの性能順にA種・B種・C種とあります。一番性能高いJIS A1323 A種 より性能が高いため使用しています。
溶接やサンダー加工時において、飛散を防止する事が出来ています。
切断後の切り口はサンダーにてバリなどを切削して位置を正確にできるように仕上げていきました。

スプリングハンガー

東急車両(東邦車輛)のトレーラーのスプリングブラケットは各種に使えるようにこの車両よりサイズが大きいものが来ていたため、上面を現車両と同じ寸法に加工して取り付けました。
ブラケットの下に台として置いてあるものが切断したものです。元の物より縦の長さが約100mm長かったため加工を行いました。

スプリングハンガー

トレーラーのスプリングハンガーを仮合わせ、元の位置に正確に測定して仮溶接。再度測定を行った後に溶接を行いました。
溶接面が上にあるため丁寧に溶接を行っていきました。
スプリングを支えるブラケットですが、左右の位置を正確に測定して、正確に取りつけることが、スプリングの高さを左右同じになり、荷物を積載した時にでも荷台部分が平たんになり安全に運搬する事が出来ます。

スプリングハンガー

東急車両(東邦車輛)のトレーラーの仮止めしたものを全周溶接していきました。溶接時には溶接のスパッタが飛散しないように紫色のスパッタ防止シートにて養生しました。

スプリングハンガー

取り付けたスプリングハンガーに塗装を施工して、取り外したスプリングを取り付けていきました。
スプリングとスプリングハンガーが接触する部分はグリスを施工しました。
グリスとは潤滑油のことで、グリースと呼ばれることもあります。潤滑油の中でも半固体または半流動性を持ったタイプがグリスと呼ばれています。
グリスには様々な種類があります。
一部ですが、グリス、リチウムグリス、モリブデン入りリチウムグリス、シャーシグリスなどがあります。
使用する環境の温度、機械、荷重などによって適するグリスを使い分けることが必要です。
今回は荷重がかかる部分なので
モリブデン入りリチウムグリスを使用しました。
ボールジョイントなど強い荷重がかかったり、摩擦や摩耗が起きやすい部分に使用するグリスです。
耐摩擦、摩耗性に優れ、耐水性、耐熱性もあるのが特長で、モリブデングリスといわれることが多いです。
トレーラーの取り外したホイル付きタイヤを取り付けました。
最後に、ボルトの締め付けの再確認と溶接個所の確認、塗装の確認して納車になりました。