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昭和26年4月4日第3種郵便物認可
令和5年4月1日発行(月1回1日) 第73巻 第4号
2023年 DAIRYMAN 4月号
世界の酪農を知り、世界の酪農とともに前進しよう!
デーリィマン
VOL.73 No.4
ISSN0416-6272

視点 2023
飼料“自給力”の向上へ

技術ワイド

乳房炎対策を見直し損失抑える
➀環境の改善で予防につなげる
➁乾乳直前の搾乳回数減少による治療・予防効果
➂現場での活用目指した簡易検査キット
新企画 ミルクは不思議で素晴らしい!

各地のホルスタインショー入賞牛紹介
乳用種雄牛評価成績2023-2月/若雄牛評価値

写真2 バンカーサイロの多層詰め(追い詰め作業)

料草 サイレージの上に直接、 新たな原料草を敷きならし、踏圧・ 密封する技術である (写真2)。開封と密封を複数回行うため、詰め込み時の労力は増えるが、施設を有効利用できる。また、原料草ごとに個別のサイロをつくり混合利用するよりは、毎日の利用が省力的となる。道総研畜産試験場での再現試験では、詰め込み間隔が10日以上離れていれば、再開封によるサイレージの不良発酵は見られなかった。また、生産現場での実浅例でも、再開封による問題は起きていない。ただし、飼料設計を緻密に行う場合は、 取り出し時に断面を丁寧に切り出す必要がある。

トウモロコシの雌穂主体の利用は気象や品種の兼ね合い確認しながら

トウモロコシは、すでに栽培している地域では、より多いあるいはより栄養成分の高い状態での収穫が求
められる。寒冷な地域などこれから栽培しようとする所では、より安定的に栽培する手法が求められる。より多く収穫、 また安定的に栽培するための基本は、本誌23年3月号 (技術ワイド、36~38 ) でも紹介した。 ポイントのみ列記すると品種選定、 栽植密度、雑草防除、地力向上、根張り向上である。 品種には早晩性や耐倒伏性などに多様なバリエーションがある。早晩性が同じだと、より新しい品種ほど多収で倒伏や病害に強い傾向にある。栽植密度は全ての基本であり、播種時に間違いのないよう、実測しながら播種する。その他、雑草防除は植物体を頑丈に育てるために大事なことである。
ここで、より栄養成分が高い状態で利用するための条件について考えてみたい。 一つは、雌穂主体での収
穫利用である。「イアコーン (EC)」「ハイモイスチャーシェルドコーン (HMSC) 」 「子実」は栽培利用の基本的な技術は確立されており、 道内でも収穫利用は可能である。 いずれの利用技術も、地域の気象 (生育期間の積算気温) と利用する品種 (早晩性) との兼ね合いを確認しながら進める必要がある。 不安があれば、試験栽培を行ってほしい。 一方、ホールクロップで収穫し、茎葉も繊維源として活用する場合は、収穫時の切断長とクラッシャの設定がポイントとなる。切断長については、トウモロコシサイレージに期待する繊維効果に応じて選択する。収穫が黄熟期以降であれば、クラッシャは必須である。 できるだけ全ての子実が砕けたり傷が付いたりした状態になるように設定する。

高栄養かつ多収な自給飼料畑を維持していくには、トウモロコシなどを活用した輪作体系が確立されるこ
とが望ましい。その第一歩として、条件の良い圃場の幾つかで、牧草率を高める、あるいは栄養価を高めるような管理をしていただきたい。優良な採草地は、牧草という作物を収穫する畑だと考える。そうした考えの先に自給飼料生産の強化がある。

プロフィル
はやしたく
1971年生まれ、 神奈川県横浜市出身。97年北海道大学大学院農学研究科修了。 同年北海道庁に入る。 道立根釧農業試験場 (現酪農試験場)、 酪農試験場天北支場を経て20年から現職。16年に博士(農学)。 飼料作物の品種栽培利用法研究に従事

家畜運搬車製造にかかわる弊社として
掲載させていただきました。

DAIRYMAN 第73巻 第4号 2023年4月号
昭和26年4月4日第3種郵便物認可
令和5年4月1日発行(月1回1日)

発売所
デーリィマン社
発行所 札幌本社 札幌市中央区北5条西14丁目
    東京本社 東京都豐島区北大塚2丁目B69 ITY