DAIRYMAN デイリーマンに広告を掲載させていただきました。

昭和26年4月4日第3種郵便物認可
令和6年11月1日発行 (月1回1日) 第74巻第10号

2024
DAIRYMAN
どう進める生産基盤回復

デーリィマン
VOL.74 No.11
ISSN0416-6272

視点 2024
どう進める生産基盤回復

デイリーマン DAIRYMAN 家畜運搬車 家畜 畜産 牛 豚

技術ワイド
交配戦略をレベルアップ
➀交配計画の基本とチェックポイント
➁和牛雄(Y)受精卵の受胎率と経済性
➂プリッドデルタ用いた定時AIプログラムの利点

乳用種雌牛評価成績2024-8月
2024 北海道ホルスタインナショナルショウ/各地のホルスタインショー入賞牛紹介

デイリーマン DAIRYMAN 家畜運搬車 家畜 畜産 牛 豚

連載 循環型酪農を実践し続け50年➁

が減っていた。
 トンネル換気にしたのは、天井が低めだったためで、大型換気扇6台を設置し、入気量確保のため、反対の壁に縦1.8m×横 1.8mの開口扉を2カ所設けた。その結果、開口扉付近は風速3m/秒となったものの、両飼槽側と中央通路の風速は一定ではなく、牛に風が均等に当たっていなかった。
 そこで風洞試験に基づき窓を半分開けて風の流れの強い中央通路の風速を弱め、風の弱い方の飼槽側に定置型換気扇を1台設置するなど両飼槽側と中央通路の真ん中部分が同程度の風速になるよう微調整した(図)。
 トンネル換気は、換気扇の設置場所はさほど重要でなく、人気口からの風の流れが障害物などで妨げられずスムーズに流れることが重要である。実際に人が現場に立ち風速を体感した上で改善策を講じてほしい。
 これらの暑熱対策に問題はなかったが、近年、高温・多湿が進んだため、さらなる対策が必要になり、今年細霧発生システムを設置。湿度70%以下、気温25℃以上で稼働する設定にした。稼働してみると外気温度が25℃以下でも牛舎内部は25℃を超え、6月上旬から細霧が噴出されていた。人間の感覚では気が付かない牛への暑熱ダメージがあったことを再確認し。
 高温多湿な時期は、細霧装置を稼働させずに大型換気扇の台数を増やす。風速 3m/秒以上を確保することで、湿度上昇を抑えつつ体感気温を下げている。体感気温は、気温-6× √ 風速(m/秒)で求めることができる。例えば、気温30℃で風速3m/秒だと体感気温は約20℃になる。
 温湿度指数(THI) に関しては65~69で要注意、70~74で注意、75~79で警戒、80以上で危険と評価。THIはヒートストレスメーターで確認している (写真1)。例えば気温が25℃だと、湿度が25%と低くてもTHIは69で、既に牛が不快を感じ始める水準に達するなど、人との違いを理解する必要がある。

牛床長さを10cm延長、係留方式はニューヨークTSに

 牛の大型化により、 従来の長さ165cmの牛床ではサイズが足りず、後乳房損傷と後躯の汚れが発生していたため175cmに延長した (74写真2)。
 バーンクリーナ側の壁にL型アングルをアンカーで固定し、10cmの幅木を載せるという施工内容で、この際、カウトレーナの高さを通常より低い背中から5cmほどに設定し、バーンクリーナへ排せつするよう調整することが大事である。以上のような牛床改修により乳房の汚れがなくなり乳房炎対策と清拭が楽になった。
 牛床マットは飛節の腫れ防止のため、それまでのゴム製からクッション性の高いパスチャーマットに替えた。 敷料として麦稈を使用しているが、これは堆肥発酵に必要な副資材でもある。しかし、20年以上使用する中でパスチャーマット内のゴムチップが劣化しマットに亀裂が生じてきた。このため昨年、再びゴムマットに変更したが、擦れて飛節の体毛がなくなる牛が多くなり、飛節が腫れる牛も数頭おり、これらの改善が課題になっている。
係留方式はスタンチョンからニューヨークタイストール (1本の

DAIRYMAN 第74巻 11月号
昭和26年4月4日第3種郵便物認可
令和6年11月1日発行(月1回1日)

発売所
デーリィマン社
発行所 札幌本社 札幌市中央区北5条西14丁目
    東京本社 東京都豐島区北大塚2丁目B69 ITY大塚ビル3階