DAIRYMAN デイリーマンに広告を掲載させていただきました。

昭和26年4月4日第3種郵便物認可
令和6年10月1日発行 (月1回1日) 第74巻第10号

2024
DAIRYMAN
生乳需給変化への対応

デーリィマン
VOL.74 No.10
ISSN0416-6272

視点 2024
生産力高めて粗飼料安定確保

デイリーマン DAIRYMAN 家畜運搬車 家畜 畜産 牛 豚

技術ワイド
➀既存の機械・圃場を生かした自給飼料増産法
➁強害雑草に負けない除草剤の使い方
➂牧草とトウモロコシの病害虫防除
➃【現場発】ドローンで雑草位置を把握する効率的防除

新企画 連載 循環型酪農を実践し続け50年

ゲノミック評価/乳用種雄牛評価成績 (参考情報) 2024-8月
各地のホルスタインショー入賞牛紹介

デイリーマン DAIRYMAN 家畜運搬車 家畜 畜産 牛 豚

連載 押さえておきたい体型改良の基本 7
図5 未経産牛分布のイメージ
未経産牛分布

近交係数の急激な上昇が起こるため避けるべきである。

未経産牛の遺伝評価値を
牛群内や全国と比較可能

 元来、乳牛を遺伝的に評価する場合、妊娠、分娩を経て泌乳することで分かる乳量や体型審査などの表型値が必要だった。現在は本牛の遺伝子から直接、遺伝的な能力が評価できるSNP (一塩基多型)検査の普及によって、分娩を待たず未経産のうちに高い信頼度で判断ができるようになった。
 「ゲノミック情報利活用システム(Genomic Information UtilitySystem)」、通称GenIUS (ジーニアス) は未経産牛の遺伝評価値を中心に牛群内や全国と比較できるシステムである。遺伝評価値は数字で表示されていることが多く比較が大変だが、ジーニアスはグラフなどを用いて視覚的に判断しやすいよう設計されている。
 ジーニアスには雌牛リスト、改良状況、近交状況、牛群レベル、未経産牛分布の5つのメニューがある(81図4)。 次に、 種雄牛の選定に活用できる未経産牛分布を紹介する。
 この分布図はGNTP別に上位5%、上位50%、下位50%、下位17%と4分割されており、下部にグループ別の推奨活用方法が表示されている(図5)。例えば上位の牛には採卵や雌雄選別済み精液を使い後継牛を生産し、下位を受卵牛やF1生産に供与するなど、 交配の判断材料として活用してほしい。
 なお、牛群内のごく一部の未経産牛しかゲノミック評価を持たない場合は偏った表示となり、誤った判断につながるため、牛群平均のグラフ類は在籍未経産牛の70%以上がゲノミック評価を有することが表示条件となる。ゲノミック評価は
牛群内の未経産全頭が持つことで最大限活用できる。

 (独)家畜改良センターが公表する遺伝的能力評価では、2024-8月評価から近年の大きくなり過ぎた体の大きさを適正なサイズに改良するための「大きさ指数(高さ+胸の幅+体の深さ)」が新たにNTPに加わった。NTPの見直しは、長命連産性
の改良をさらに強化することが目的である。種雄牛の遺伝的評価ではロボット搾乳への適合性に関する情報が提供される。長命連産性の改良には体型面からのアプローチも重要で、今回紹介したシステムを活用して本牛の遺伝的な能力を把握し、長所を伸ばし、短所を補う種雄牛を選定してほしい。

プロフィル
おかたろう
1981年生まれ、新潟県長岡市出身。2007年帯広畜産大学大学院修士課程修了、同年(一社)日本ホルスタイン登録協会に入る。20年から現職

DAIRYMAN 第74巻 10月号
昭和26年4月4日第3種郵便物認可
令和6年10月1日発行(月1回1日)

発売所
デーリィマン社
発行所 札幌本社 札幌市中央区北5条西14丁目
    東京本社 東京都豐島区北大塚2丁目B69 ITY大塚ビル3階