一般社団法人 日本自動車車体工業会 JABIA 発行の
車体ニュース(NEWS) WINTER 2019冬に掲載されました

トラック・バス・特殊車両の専門医として誠実なサービスを提供します。
2011年の社長就任以来、親族経営からの脱却を目指し、様々な改革を断行した3代目社長が率いる精鋭集団。大型車両修理のエキスパートは時代の流れに対応できる企業へと変革を続けていく。

特 徴・沿 革
㈲柳沼ボデー工場は、満州で軍事用トラックの修理等を行っていた柳沼社長の祖父が帰国して、1934年に創業した。3代目となる柳沼社長は大学で機械工学を学び、卒業後は栃木いすゞ自動車に入社、整備士として第一線で働いていた。2001年、27歳の時、前社長の体調不良を機に、㈲柳沼ボデー工場に入社し、現場で修理作業を手伝った。
2011年、震災の影響で仕事が激減し、少人数の家族経営であったこともあり前社長は廃業を検討するが、事業の継続を希望した柳沼社長が引き継いだが、財務状況が想像以上に悪いことを知り、多難の経営改革に乗り出した。現在は、現場は柳沼社長就任以降に採用した少数精鋭のスタッフで構成されている。

キャンバス ウィングボディ

キャンバス ウィングボディ

同社はトラック・バス・特殊車両の修理を主な業務とし、他社では手に負えないような損傷の大きい車体の修理にも対応してきたことが特徴である。しかし、突発的かつ急務である修理だけでは経営の安定が難しい。 部品の仕入れ等で多くのボデーメーカーとのつながりを積極的に活用して、二次架装の仕事も増やしてきた。2019年からは4t車の軽量ウィングボデーの製造・販売も開始し、経営の強化に努めている。
ホ ームページも社長自ら常に更新している。修理費用の金額を明記し、工程の詳細を写真入りで紹介する分かりやすく画期的な構成で、全国から多くの問い合わせが来ている。
工程の紹介にこだわるのは、修理の標準工数を策定する「全国大型自動車整備工場経営協議会」の工数委員長を務めているのも理由のひとつだという。

製品
― 御社の業務の特徴についてお聞かせください。 創業以来、バスやトラック等大型車のボデー修理をメインの仕事としています。他の整備工場では手に負えないような損傷の大きい事故車両にも対応してきました。全国から依頼があり、年間500台超の修理に対応しています。
故障や事故、いずれにしても営業車両を動かすことができなければ、ユーザー様の売上が減少するため、いかに迅速に対応するかが常に求められています。弊社では1日でも早く、車を現場に戻せるように、部品の調達や人員の配置の工夫に尽力しています。

キャンバス ウィングボディ

どのような製品を手掛けているのでしょうか?

2019年から、軽量のウィングバンの製造・販売を開始いたしました。幌(キャンバス)を使用した4t車で、通常のアルミウィングに比べて、約300kg多く積載可能です。荷台内長さ7,200mm、室内高も最大2,600mmまで対応でき、積載量を約12%増やすことができます。 今後は二次架装も含め、修理以外の事業を強化していく予定です。

― 御社の経営方針は?
経営の基本は、事業の継続だと考えています。そして事業継続の実現に一番大切なのは従業員です。様々な技術を持つ多能工を育成し、大切にしていくことによって、会社全体のスキルの幅も拡がり、修理だけではなく、時代に合わせた様々な事業に対応していくことができます。

― 御社の特徴は?
親族ばかりで経営していた時代は、タイムカードも朝礼もない状態でしたが、社長就任以来、従業員の入れ替わり等も含め、意識改革と環境改善に長年努めてきました。
現在は、少数精鋭のスタッフと、売上や原価等の情報も共有し、私がいなくても現場で判断して、効率的に迅速に行動することができます。

― 次世代の教育について
溶接、板金、塗装、組立、FRP成型等、修理に関する業務は基本的にすべて自社で作業しております。少ない人数で様々な業務に対応するために、多能工の育成に力を入れています。出来る技術を増やしていくために、技術研修には積極的に参加し、各種免許等も会社負担で取得するよう奨励しています。

また、月に一度、売上や新技術、ミスやトラブル等について、全員でミーティングを行って情報共有し、改善を図っています。
日本自動車車体工業会 JABIA に掲載されました。