メーカー 三菱
車種   ファイター PA-FK61F 
年式   平成16年式 2004年式
施工個所 三菱 ファイターのUNIC(ユニック)アウトリガー油漏れ修理
作業日数 約2日
価格   約130,000円

三菱ファイターのUNIC(ユニック)ハイアウトリガーの入庫でした。
右側のハイジャッキの下部分より油漏れがしているの車両でした。

UNIC(ユニック)ハイアウトリガーの下の部分にオイルが漏れている状態で入庫でした。
クレーンで荷物を吊り上げている状態や、ボディに車両やユンボなどを積載するときに
ジャッキからオイル漏れがしていると、シリンダーの油圧がオイル漏れを起こしていることにより
荷重がかかった時に、オイル漏れを起こしているため、油圧がオイル漏れ部分より圧力が逃げてしまい
荷重に耐える事出来ない事があります。

オイル漏れを起こしていると
クレーンで荷物を吊り上げているときに、シリンダーが縮んだり
車両を積載時にシリンダーが縮み、横転事故につながることがあります。
シリンダーのオイル漏れは、早急に修理が必要です。

油圧ホースを外して、シリンダーをジャッキ内部より取り外しました。
取り外したシリンダーを分解オーバーホールしていきました。

写真はUNIC(ユニック)のシリンダーを分解した写真です。
現車両のユニックのシリンダー上部はキャッスルナットで固定されているため
割ピンを抜くと、安易に取り外す事が出来ました。
固定ナット式のシリンダーの場合
シリンダーシャフトとナットが固着してしまい、
取り外す事が困難な場合もあります。

上記写真のようにシリンダーシャフトに組み付けを行い
シリンダーに組み付けて行きました。

アウトリガーに取付を行い、取り外した油圧ホースを取り付けてオイル量を確認。
動作チェックを行って、荷重をかけて油漏れがないかを確認して納車になりました。

キャッスルナットとは
キャッスルナットとは、お城の塔にも見える形状のナットです。
溝付ナットや菊ナットという呼び方をする場合があります。JIS規格に昭和38年1963年に規定されました。
主に大型機械に使われています。古くは機関車や戦車、重機、橋脚などでも使用されております。

JIS規格とは
日本産業規格(JIS=Japanese Industrial Standardsの略)のことです。
日本工業規格工業標準化法は、昭和24年(1949年)6月1日に制定され、7月1日から施行されたものです。
日本の産業製品に関する規格や測定法などが定められた日本独自の国家規格です。

キャッスルナットの特徴
キャッスルナットの特徴は、ナット上部に溝や中間部に穴が対向に加工されてあり、溝や穴を利用して割ピンやノックピンを使用して、緩みと脱落がないようにしてあるのが特徴です。
割ピンはキャッスルナットの溝部に嵌めて、割ピン先をキャッスルナットと平行に左右広げて外周へ沿わせて使用します。

キャッスルナットの用途
キャッスルナットの用途は振動が激しい機械や機械内の駆動部などの緩みを極力避ける部分に多く使用されます。
チタン製のキャッスルナットを使用して、宇宙分野や航空分野、医療分野・最先端産業機器に使用されています。

キャッスルナットの規格
キャッスルナットの規格により溝が6カ所~12ヶ所加工されています、
JIS規格JIS B 1170に規定されています。

【1種】
溝部分が六角部に切られている。小径のナットに用いられます。
【2種】
溝部分が六角ナットの外側に飛び出している。大径のナットに用いられます。
【高形】
高さがあるナットの事です。
【低形】
高さが低いナットの事です。
組み合わせて規格の名称が決まります。

【1種高形】
取り付ける場所の高さに制限がなく、割りピンが外に出て問題ない所に使用
【1種低形】
高さを低く押さえるべき場所で、割りピンが外に出て問題ない所に使用
【2種高形】
取り付ける場所の高さに制限がなく、固定する割りピンを外に出したくない場所に使用
一般的で、流通量の多い物
【2種低形】
高さを低く押さえる所で使用され、割りピンを外に出したくない所に使用
他にも3種、4種が規定されています

キャッスルナットのメリットとデメリット
キャッスルナットはナットの脱落防止やゆるみ止めが目的です。

メリット
メリットは、安定した緩み止め性能です。
割りピンで物理的に固定されるため、キャッスルナットの緩み方向への回転が抑制されます。
緩んだ時、割りピンががあるためナットやワッシャの脱落防止効果を得られます。
JIS規格によって強度が規定されているため、規格として採用する事ができます。

デメリット
デメリットは、価格と加工の困難性です。
ボルトに割ピン用の貫通穴を開けるための加工、締め付け後に割りピンを差し込む製造工数が高くなります。
径が小さいキャッスルナットは割りピンを通しにくく、締め付け角度が制限されます。
割ピンが通る位置に固定するのに自由度が少ないです。