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昭和26年4月4日第3種郵便物認可
令和4年3月1日発行(月1回1日) 第72巻 第3号
2022年 DAIRYMAN 3月号
世界の酪農を知り、世界の酪農とともに前進しよう!
デーリィマン
VOL.72 No.3
ISSN0416-6272

視点 2022

国際競争力をどう高めるか

デイリーマン 2022年3月 家畜運搬車 新車 架装 中古 製作

技術ワイド
適切な乳量調整法を探る
➀飼料メニュー見直しの手順と変更時の留意点
➁早期乾乳による影響と対象牛の選定法
➂1カ月齢までは全乳哺育での増体や健康への恩恵受けやすい
新企画 連載 押さえておきたい栄養管理の基本/気まぐれレストア日記
乳用種雌牛評価成績2021-12月

デイリーマン 2022年3月 家畜運搬車 新車 架装 中古 製作

-プロフィル-
かわさき ひろし
1957年生まれ、東京都出身。81年中央大学理工学部卒業。同年、 全国農協乳業(株)(後の全国農協直販(株)、 雪印メグミルク (株)の前身企業)に入る。雪印メグミルク日野工場長、神戸工場長、野田工場長などを歴任。 2015~21年いばらく乳業代表取締役社長。21年10月から現職。趣味は船に乗って海釣りに行くこと

になる。

昨年末と年始には処理不可能乳の発生回避に向け業界内外で大きな動きが見られた。

川﨑 当連合会の組合員も市役所の有志と連携して牛乳を1本多く飲む運動や、地域の関連業者などと連携したチラシの作成、ヨーグルトの増量キャンペーンなど牛乳の消費促進に積極的に取り組んだ。こうした取り組みが今後継続されることを期待するとともに、新たな飲用乳需要の掘り起こしがで
きればと思っている。
今後の消費拡大に関連して、学校給食用牛乳の普及率の向上にも努めたい。 全国学校給食会連合会のコロナ前のデータによると、学校給食の提供日数は192日。このうち牛乳の供給日数は、市町村によっては180~185日にとどまっていると聞いている。地域ごとにさまざまな事情はあるが、1日でも供給日数が増えるように努力したい。

学乳の供給先の小中学校ではコロナ禍で休校が相次いでいる。

川﨑 昨年8月から9月にかけて、夏休みの延長などの措置を講じる小中学校
が全国で見られた。特に茨城は県内のほとんどの小中学校が延長措置を行ったため学乳を供給する乳業メーカーは厳しい状況となった。
秋ごろは落ち着いていたが、 年明けから全国で休校や学級・学年閉鎖、分散登校などが相次いでいる。地域によって影響に差はあるが、メーカーによっては1月中旬時点で供給量が5%減っているという話も聞いている。 今後の感染状況によっては、さらに供給量が落ち込む懸念もある。地域で学乳供給を中心に事業展開している乳業メーカーは大きな痛手を負う可能性があり非常に危惧している。
引き続き当連合会は情報収集に努め適切な対応を検討していきたい。

情報を伝え、中小乳業の横のつながり強固に

一今後の取り組みは。
川﨑 組合員の中小乳業にとって横の連携は必要不可欠だ。例えば休校で学乳供給が停止した際、代替の供給先を尋ねられて、 別の地域の類似の事例を紹介したこともあった。中小乳業が閉鎖的にならないよう、全国団体として横のつながりを強固にし、情報を収集し伝えていくことが当連合会の大
切な役割だと思う。
学乳の関連では、 SDGs (国連が定めた持続可能な開発目標)に基づくプラスチックストロー廃止への対応も考えなければいけない。 (一社)日本乳業協会とも連携しながら、各容器メーカーの考えや外国の先行事例などを調べ、適切な方向を検討していきたい。
牛乳の消費拡大は、安全・安心な牛乳を供給することが大前提。消費者の求める衛生レベルは毎年向上している。 それに対し乳業者が「これまでもずっとこの方法でやってきた」と主張して取り組みを変えずにいると、事故などの発生につながる恐れがある。
乳業者も日々、 少しずつでも衛生管理レベルを上げていかなければいけない。消費者に安全・安心を届けるため、 引き続き衛生管理の向上に努力していきたい。
【聞き手・嶋】

DAIRYMAN 第72巻 第3号 2022年3月号
昭和26年4月4日第3種郵便物認可
令和4年3月1日発行(月1回1日)

発売所
デーリィマン社
発行所 札幌本社 札幌市中央区北5条西14丁目
    東京本社 東京都豐島区北大塚2丁目B